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ウィスキー・ドリーム。 [書籍]


ウィスキー・ドリーム ー アイラ島のシングルモルトに賭けた男たち
(白水社、2011年2月15日発行)を、一気に読み終えた。

マーク・レイニヤー、サイモン・コーリンが、マーレー・マクディビッド社を起こし、ジム・マキュワン、アンドルー・グレイ、ジョン・マクタガートと共にブルイックラディ蒸溜所を再建する(のちにポート・シャーロットやオクトモアを復活させる)、大変にスリリングな10年間の物語である。
アルフレッド・バーナードの目を通して見た130年前の蒸溜所の様子も興味深い。
またマーク・レイニヤーがワイナリー・オーナーということを本書で知って、ワイン樽フィニッシュも(好き嫌いは別にして)納得がいった。

ジム・マキュワンが、ボウモアを辞めた経緯も語られている。
1995年、新オーナーの日本企業がジムを世界を股にかけてのボウモア伝導旅行に送り出した。ロシア、オーストラリア、アメリカ、マレーシア、日本 ーー ジムにとって、訪れた土地をすべて列挙するのはひと苦労。訪れなかった土地を挙げるほうが簡単なくらいだ。何千何万マイルもの空の旅は最後には重荷になった。妻や娘たちと離れているのは淋しかった。アイラ島にもどり、ウイスキーづくりにもどり、自分自身の蒸留所を運営するチャンスを拒否できるわけはない。それは極東からきたボウモアの新オーナーをがっかりさせたが、ジムは自分の心がいつもあった場所、蒸留に帰りたかった。ブルイックラディ再開後、人生ははるかに楽になった。

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原題は、
Whisky Dream: WAKING A GIANT (STUART RIVANS with PHOTOGRAPHS BY STRART GREIG, 2008)

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英語版には、ブルイックラディ創設当初のモノクロや再開時のカラーなど、40枚近い写真が掲載されていて、見ているだけで楽しい。

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日本語版では写真がすべて割愛されていて、画龍点睛を欠いているのが(白水社が良心的な出版社なだけに)、たいへん残念だ。
英語版はたいして高くないので、ブルイックラディ好きの人は買う価値あり。
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